ある日、朝の通勤途中のことです。
その日は一段と電車が混んでおり、ちょっと踏ん張って立っているとお腹が急に痛くなりました。そこから乗換駅まで約10分、どうにかそこまでは我慢しようとしました。しかし乗換駅についた時点でもう限界点は非常に近づいていました。あとちょっと、と自分に言い聞かせ、トイレに入ると5名くらい並んでいます。まあ、どうにかなるだろう、と思い待つことにしました。ただ中々順番が回ってきません。気を紛らわそうとスマホのニュースを見ますが、全く文字が頭に入ってこない状態。就業時間も迫りつつあり、そこから会社まで約10分なので意を決し、会社まで行くことにしました。もうほぼ出そうな状態です。階段を上るのがこんなに辛いと思ったことは無いです。
何とか会社にたどり着き、鞄を置いてトイレに直行、と思っているとそういう時に限って「あの、この書類見てもらえる？」と声を掛けてくる上司がいます。
「後で見ておきますから」とメチャクチャ引きつった笑顔でトイレに行きます。
ウチの男子トイレの「大」は一部屋です。私の前を部下が歩いています。「まさか」と思っていると彼もトイレに入り「大」に行こうとしました。もう限界、と思い「ごめん、俺、本当に漏れそう」と言い、順番を代えてもらいました。彼は笑顔で代わってくれました。よい部下を持ったものだ。
修羅場をこえ、席に戻り、隣に座った部下にありがとうと声をかけ、いつもの日常がおとずれました。
ただ、その日のランチはおごらされました。